お寺・神社絶壁建築めぐり

出版社:GB 飯沼義弥 (著), 渋谷申博 (監修) 2019/6/22発行

大河を見下ろす懸造りと開放的な枯山水

本堂・護摩堂のいずれからも吉野川が見渡せる。

DATE 平成2年(1990)本堂、平成21年(2009)護摩堂

本楽寺は、寺の地盤がすべて1枚の岩盤でできているため、懸造りのお堂が建てられた。そのため建物の耐震性も高いという。しかも徳島特有の青石が地盤で、本堂の木材に雨風に強い青森ヒバを使用するなど、懸造りを建てるうえで非常に考慮された建築である。なお、同寺は四国八十八景の一つに数えられている。
 本堂も護摩堂も、勾欄の上からJR徳島線や、国道192号線(伊予街道)と並行して流れる吉野川をどこまでも見渡すことができる。
 境内は丁寧に整えられており、京都の有名寺院などでみられるこぢんまりとした枯山水とは一味違う、吉野川を借景とした開放的な枯山水の庭園が楽しめる。